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2024.9.29
こんにちは。春日井市の元銀行員税理士・小野木です。
会社を作ったあとは、役員報酬を決めなければなりません。
役員報酬を決めるとき、法人税法上いくつかルールがあります。
ルールどおりに決めないと、経費に計上することができなくなってしまいますので、注意しましょう。
役員報酬を支払うには、事業年度開始の日から3か月以内に決める必要があります。
通常だと「定時株主総会」で決めることになりますが、設立1期目の場合は「臨時株主総会」で決めるのがいいでしょう。
上記の株主総会を開催した証拠として、その内容を議事録として記録しておく必要があります。
議事録は税務調査のときに必要になるほか、社会保険の算定基礎届を提出するときにも求められることがありますのでしっかり作っておきましょう。
役員報酬は「定期同額給与」といって、毎月同じ金額を支給しなければならず、1年間は特別な事情がない限り変更できません。
特別な事情がないのに変更してしまうと、支払額の一部が経費として認められなくなってしまいます。
理由は、「赤字が増えてきたから役員報酬を減らそう」とか「今期は予想以上に黒字だから、役員報酬を増やそう」というように自由に変更できてしまうと、簡単に利益操作ができてしまうので、これを防ぐためのルールがあるのです。
年1回の株主総会で自由に決められるとはいえ、てきとうに決めてしまうのはやめましょう。
たとえば、赤字になってしまった年に役員報酬を多く設定してしまうとよけいに赤字が増え、銀行から融資を受けるときに不利になります。
前述のとおり、決算日が近づいてきて業績をみてから役員報酬を変えることはできません。
期首から3か月以内に決めた金額で、そのまま決算をむかえることになるので、あらかじめ今期の業績を予想してから役員報酬を決めるようにするのがおすすめです。
法人税をおさえるためには役員報酬を上げて経費を増やせばいいのですが、そうなると個人の所得税・住民税・社会保険料が高くなります。
逆に、個人の負担をおさえたいから役員報酬を減らすと、法人税が増えてしまいます。
なかなか悩ましいところですが、各種税金とのバランスを考えるのが大事です。
やはり今期の業績を予測しつつ決めるのがいいと思います。
所得税法上、個人事業主に給料を支払うという考え方はなく、収入から経費を差し引いた所得をもらう、という形になります。
なので、事業用の口座からいつでも・いくらでも自由に引き出すことができます。
とはいえ、あまりに自由に引き出してしまうと事業の資金繰りに影響が出てしまうので、できれば毎月いつ・いくら引き出すかを決めておくことで、あとで確認しやすくなります。
会社設立後の役員報酬の決め方についてお話ししました。
一番注意したいのは、「期首から3か月以内に決めたら、基本的にその期は変更できない」という点です。
今期の業績はどのくらいになりそうか?と予想をたててから決めるのがオススメです。
役員報酬は、法人税・所得税・住民税・社会保険料と数多くの税金に影響をあたえます。
あとで後悔しないように、しっかり考えて決めるようにしましょう。
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