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決算対策のひとつとして、「短期前払費用の特例」を使った節税方法がよく使われますが、適用するためにはいろいろな注意点があります。
ここでは、短期前払費用の特例を受けるための条件や注意点をご紹介します。
一定の契約による継続的な役務提供(サービス)のお金を支払ったうち、翌期以降の分については「前払費用」として資産に計上されます。
簡単にいうと、今期分と来期分をきっちりわけましょうねということです。
ただし、その費用を支払った日から1年以内に役務提供(サービス)を受ける場合には、継続して支払った日の属する事業年度に損金経理(経費に計上)していれば、支払った時点で経費に計上してもよいというルールがあり、これを短期前払費用の特例といいます。
要するに、「期末間際に来期1年分を前払いすれば、今期の経費にしていいですよ」ということなので、2年分の経費を計上できることになり、節税できることになるのです。
短期前払費用の特例の適用を受けるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
契約期間中、継続的にサービスを受けるものでなければならならないので、数か月分の契約のサービスのものは対象になりません。
また、契約に基づいて年払いした旨を契約書などに記載する必要があります。
たとえば事務所の賃貸契約の場合、「○○月分を前月末に支払う」と契約書に書いてある場合が多いと思いますが、このまま契約書を変えないと年払いしても経費に計上できないことになってしまいます。
「△△月~□□月分を前払いする」というように契約書の変更を忘れずにしましょう。
サービスの提供の対価のみが対象となります。
モノを購入するための支払いは対象外です。
家賃の場合、「住む」というサービス以外はありませんので、サービスの内容は一定といえます。
わかりやすい例としては、私たち税理士に支払う報酬は毎月定額ではあるものの、月によってサービス内容が異なると思います。
この場合は対象外になりますので注意してください。
支払った日から1年以内にサービスを受けるものでなければなりません。
たとえば、
となります。
2つめは3月21日の支払いなので1年以内じゃないけどいいの?と思われるかもしれませんが、10日ぐらいの誤差は柔軟に対応してもらえる可能性が高いです。
3つめの3月1日の支払いは、さすがに1か月空白があると誤差とはいえませんので認められない可能性が高いです。
認められない場合は、1年を超えた1か月分だけ否認されるわけではなく、全額が否認されてしまいますので注意しましょう。
不動産貸付を行っている方で転貸している場合、「家賃収入」「支払家賃」の両方が発生します。
そこで、「家賃収入」は通常通り今期分のみ計上し、「支払家賃」を翌1年分を計上するということは収入と費用の対応関係が合わなくなってしまいますので、認められません。
1度年払いをしたら、その後継続する必要があります。
「今年は黒字になりそうだから年払いして、翌期は赤字になりそうだから年払いしない」ということは認められませんので注意しましょう。
実際に支払わず、未払いとして計上することは認められません。
短期前払費用の特例が適用できる費用は「継続的で一定のサービス」のものが該当します。
具体的には以下のようなものがあります。
短期前払費用の特例が適用できないものは、以下のようなものがあります。
ケース | ○× | 理由 |
---|---|---|
3/31に4月分~翌3月分の家賃を支払った | ○ | 要件をすべて満たすため |
3/25に4月分~翌3月分の家賃を支払った | ○ | 厳密にいえば×だが、柔軟に対応される可能性が高いのでOK |
2/28に4月分~翌3月分の家賃を支払った | × | 支払日から1年を超えているため(1か月の空白は誤差といえない) |
3/31に4月分~翌3月分の看板広告代を支払った | ○ | 要件をすべて満たすため |
3/31に4月分~翌3月分の弁護士費用を支払った | × | 支払額は一定だが、サービスが一定でないため |
3/31に4月分~翌3月分の雑誌の年間購読料を支払った | × | モノの購入は対象外 |
少しむずかしい話になりますが、短期前払費用の特例を適用するには「重要性が乏しいものは会計処理を簡単にしてもいいよ」という前提条件があります。
事業の内容から判断して、原価的な要素のある費用や重要な営業費用に該当する場合は、「重要性が乏しい」とみられない可能性があります。
重要性があるかどうかは総合的に判断されますので、すべての費用が短期前払費用の特例を受けられるわけではないことに注意してください。
期中に年払いの契約更新をしていたとしても、期末までそのことを忘れがちです。
期末が近づいて「お金がない」ということがないように、資金繰りには十分注意しましょう。
家賃の場合、「当期1年分+翌期1年分」を当期の期末に支払うことで、当期に2年分を経費に計上することができます。
ですが、翌期以降は1年分のみ経費に計上することになりますので、節税効果があるのは最初の1年だけとなります。
短期前払費用の特例についてご紹介しました。
よく使われるテクニックですが、あくまでも重要性が乏しいものについて適用できる点に注意しましょう。
家賃の場合、金額が大きいので大きな節税効果が得られますが、適用するためには細かいルールがありますので、税理士と相談のうえ決めるようにしましょう。
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